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お誕生日は感謝の言葉を伝える日

いつからでしょう。
誕生日なんて大して嬉しくもないと言いふらして、自分でも「ああ、またひとつ歳をとってしまった」と少し暗い気持ちになるようになってしまったのは。

幼い頃は、誕生日というものはもっとずっと特別な1日で、わくわくして嬉しくてたまらない日でした。

両親からプレゼントをもらい、母の手作りのご馳走が食卓に並び、友人たちからも沢山のお祝いの言葉とプレゼントをもらい、まるでお姫様にでもなったかのような気分を味わえて、そして何よりも一歩大人に近づいた事がこの上なく嬉しかったものです。

大人になると、成長したというよりも「歳をとった」感覚の方が大きくなってしまい、素直に誕生日を喜べなくなってしまっていました。

この年の私の誕生日は、たまたま大学時代の友人たちと旅行に行っている最中に訪れました。

卒業して何年も経っているし「私、誕生日なんだよ」と事前に宣言しておくか当日発表すれば「おめでとう」のひと言ぐらいは貰えるかもしれないな、とは思ったものの、そんな事自分からわざわざ言うほどめでたくもないしなぁ、と思い、黙っている事にしました。

久々の再会に積もる話もたっぷりあり、お酒を酌み交わしながら深夜まで語り合いました。

と、ふいに部屋の電気が消え、ろうそくに火が付いたホールケーキが運ばれてきたのです。

語り合うのに忙しくて、話に盛り上がるのに夢中で、私は日付が変わった事にも、今日が自分の誕生日だという事にも気づきませんでした。

ケーキが運ばれてきて思い出し、まさかこんなサプライズが用意されていたとは知らず、心底驚きました。

「誕生日おめでとう!」

という言葉をその場の全員からもらい、不意打ちの祝福に私は気の利いた返答もできず、挙動不審になりながら礼を述べる事しかできませんでした。

誰が企画したか分かりませんが、私の誕生日を覚えていてくれた事、ケーキをわざわざ手配してくれた事、みんなそろって水面下で準備してサプライズを仕掛けてくれた事、大人になってからこんな経験はした事がなかったので、驚きとともに、年甲斐もなく嬉しくなってしまいました。

そのまま皆でわいわいケーキを食べ、またひとしきり語らい、空が白むころ仮眠を取りブランチの時間に目覚めてスマートフォンを見ると、家族から誕生日の祝福メッセージが届いていました。

普段は顔を合わせるため、朝起きるとひと言「お誕生日おめでとう」と声をかけてもらうのですが、わざわざメールでメッセージを送ってくれた事は初めてで、ああ、気にかけてくれているんだ、と実感しました。

こんなに色々な人の愛を感じた誕生日はとても久々でした。

逆に、こんなに多くの人から愛されて、気にかけてもらって、私の誕生日を祝ってもらえる事に有難さと幸せと感謝の気持ちを抱きました。

両親には、感謝の気持ちを伝えたくて、生まれて初めて「産んでくれてありがとう」と返信を送りました。

気のいい仲間たちとの旅行も楽しみ、家族へのお土産も奮発し、思い出深い誕生日となりました。

お誕生日の感謝の言葉が刻めるメッセージリング

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