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一番大切なもの|大切な気持ちを刻めるメッセージリング

大切な彼女が、実は病気になっていたと知って、僕は愕然としました。

命に関わるような大病ではありませんでしたし、もう治ってから彼女の口から聞いた事なので、彼女自身は今は元気です。

でも、下手すれば、僕は大切な彼女を失っていたかもしれない、と思い、身震いしました。

というのは、別に病気のせいで彼女が亡くなってしまっていたらどうしようという思いがあったわけではなく、自分の健康の事さえも気にかけてくれない僕という彼氏が愛想を尽かされて彼女が僕のもとから去ってしまっていたらどうしよう、という恐怖でした。

そのころ僕はひたすらに忙しく、仕事に追われる日々でした。

彼女とは週末に会って食事したりデートしたりするぐらいでした。彼女との時間をつぶしてまで仕事を、とは考えていませんでしたから、僕は一応彼女と会う時間だけは確保していたのです。

彼女はとてもお喋りでした。

出会ってから付き合いはじめの頃までは、僕から何か聞かずとも、ペラペラと楽しそうに近況や自分の事を話してくれて、僕は楽しくその話に耳を傾けたものでした。

ところが、いつからか、僕の頭の中は仕事の事でいっぱいになってしまったのです。

僕は口を開けば自分の携わっているプロジェクトの苦労話や未来への展望、果ては厄介者の社員の愚痴まで、仕事の話ばかりしていました。

そして彼女が喋る話題には興味を示さなくなったのです。時には、彼女から少しでもネガティブな発言が出ると「俺に心配かけないでくれよな」という雰囲気をあからさまに出して、協力的な態度で親身に聞く事をしなくなっていました。

そんな日々が続き、ある時、彼女の友人から「彼女が病気で大変だったでしょ?」と聞かれ、そんな話は聞いていないという事が発覚したのです。

僕が彼女に「どうして言わなかったの?」と聞くと「仕事が忙しそうだし、私の事で心配かけたくないと思ったから」という答えが返ってきました。

この言葉を聞き、僕はやっと気づきました。

病状の詳細は友人からは聞きませんでしたが、それが気になって仕方なかった事、もし万一命に関わるような大病だったらという不安、そして、彼女を失いたくないという強烈な恐怖感を自覚したのです。

それなのに「心配かけたくなかった」という理由で何も言わなかった彼女。

僕は、自分がどれだけ不安と恐怖を感じ心配したかという言葉で彼女を責めそうになりましたが、思いとどまりました。

実は彼女の友人から「え?知らなかったってどういう事?話、聞いてあげなかったの?聞こうともしなかったの?彼女調子悪いのに気付きもしなかったの?」とお叱りを受けていたのです。

そして「普通なら、そういう男の元からは去っていくだろうから、
それでも何も言わずに傍にいてくれる彼女を一生大切にするように」とも言われました。

そうだ、これほどまで自分の事を考えてくれる彼女を、自分に責められる権利はどこにもない、そう気づきました。仕事の事ばかり考えて彼女を大切にできていなかった事を猛省しました。

僕は彼女に謝り、抱きしめ、一生大切にすると誓いました。

一番大切なものは、仕事なんかではない、僕のそばにいてくれる、この彼女こそが、僕にとって一番大切な存在だと、噛みしめた瞬間でした。

大切な気持ちを刻めるメッセージリング

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