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指輪サイズ直しの方法

指輪にはさまざまなデザインや素材のものがあって、サイズ直しすることができる指輪であっても、サイズを変えるのには、その指輪にあった方法をとることが必要です。

単純に切断後に調整して接続するだけではできない指輪も多くあります。職人は指輪ごとにサイズ直しができるかどうかの確認と、できる場合にはどの方法が適切かを判断することになります。

ナチュラルモーメントの修理実例は、指輪のサイズ直しなど、アクセサリーの修理実例集」をご覧ください。

指輪のサイズを大きくする場合

指輪のサイズを大きくする方法は、以下のような方法があります。

1.指輪を切り、大きくする分だけ材料を継ぎ足して接続し、直径を大きくする。
2.専用の機械を使って、指輪を内側から広げて、直径を大きくする。
3.指輪を金属の棒へ入れて、指輪表面を叩いて伸ばすことで、直径を大きくする。
4.指輪の内側を削り、指輪の内径を大きくする。
5.指輪を切り、切った所を広げて、直径を大きくする。

こららの方法は、指輪の材質やデザイン、どれだけ大きくするかによって最適な方法でサイズ直しされます。

1の方法は、結婚指輪などのシンプルなデザイン、特殊な加工をしていないシルバー、ゴールド、プラチナなどの材質の指輪などの場合に行います。

この方法は、いったん指輪を切断するので、表面に連続した模様が入っている場合は、サイズを広げるために、継ぎ足した部分に模様が入らないため、模様が途切れてしまうという欠点があります。

また、同じ材質で継ぎ足したとしても、その材質や継ぎ足すときに使うロウ剤(接続用の金属)によって、もとの指輪の色合いが違うことで、接続箇所に線が引かれたように目立つことがあります。

サイズ直し箇所が目立たないようにするには、接続をロウ剤を使うロウ付けではなく、レーザー溶接で接続することで、サイズ直し箇所が目立たないようにすることが可能です。

2の方法は、指輪整型機(サイズ直し機)という機械で指輪の直径を広げてサイズ直しを行います。

指輪の内側から機械で力を加えて広げていく方法なので、あまり大きなサイズ直しには向きません。

シルンプルなデザインのシルバー、ゴールド、プラチナなどで、1号程度大きくする場合に向きます。

この機械を使えば、熟練職人でなくて、誰でも簡単にサイズ直しが出来ます。しかし、宝石など石の入った指輪には使用できなく、非常に細い強度の弱い指輪などにも使うことができません。

内側から力を加えて指輪のサイズを変えるため、1号以上大きくする場合や、折れやすい材質の指輪を場合は、亀裂が入ったり、切断することもあるので、注意が必要です。

3の方法は、指輪の仕上げ段階でサイズを調整する場合によく行う方法です。

リング棒に指輪を差込み、木槌などを使い、指輪の表面が傷つけないように、コンコンと叩くことで、指輪を伸ばし(厚みを薄くする)、指輪のサイズを大きくします。

微妙な調整(0.5号~1号)の場合にはこの方法が一番手軽です。

4の方法は、指輪の厚みがあって、指輪を切断できない場合に、やむ終えず行う方法です。

指輪の表面に模様がはっていたりすると、切断してから継ぎ足して広げると模様が途切れます。

どうしても模様が途切れたくなくて、大きくしたサイズ分内側を削っても問題がない厚みがある場合、この方法を使います。

5の方法は、指輪を切って、その部分をそのままにして、指輪の直径を広げてサイズを変える方法です。切った部分はケガをしないように角を丸めたりして仕上げます。

この方法は、継ぎ足して接続できない場合に行います。切った部分が指の腹にくるように着ければ、開いている部分が分かりません。

この方法は、指輪を切りっぱなしにするので、あまり行いませんが、大きなサイズ直しができるので、切断できない指輪で、どうしても着けたい場合には有効な方法です。

参考 リングサイズの測り方 – 指輪の大きさが簡単に分かる!

指輪のサイズを小さくする場合

1.指輪を小さくする分だけ切り、接続する。
2.指輪を小さくする分だけ切り、直径を小さくする。

1の方法は、指輪を小さくする分だけ切って、切った箇所を詰めて、ロウ付けなどで接続します。

指輪の外側に模様が連続していれば、模様が連続しないこともあります。指輪の幅や厚みが均一でない指輪の場合は、幅や厚みが違った部分で接続されることもあります。

2の方法は、熱などに弱い石が付いていて、熱が加えられなくロウ付けができない場合や、ロウ付けできない材質でどうしてもサイズ直しを行いたい場合に行う方法です。

切断部分はケガをしないように角を丸めたり研磨して仕上げます。

関連情報 指輪サイズ直しを依頼する時の注意点

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