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7.132018
「ありがとう」の言葉が刻めるメッセージリング
あなたの小さな命が、私のお腹に宿ったと知った時、私の目から涙がこぼれ落ちました。
まだ顔も見ていない我が子、まだ目の前に出てきてくれていない我が子、それでも確かに私のお腹の中で少しずつ少しずつ大きくなっていくあなたを想うと、愛おしくて、愛おしくて、どういうわけか涙が止まらず溢れました。
あなたは私のお腹で元気いっぱい、すくすく育ちました。
一度だけ逆子になって、ちょっぴり私を困らせましたね。
でも、すぐに元に戻って安心させてくれました。
お父さんはいつだって私のお腹を、つまりあなたの事を気にかけて、手のひらをお腹に押し当てて「あ、動いた」と喜んだり、だんだん大きくなっていくお腹を見て嬉しそうにニッコリしたりしていました。
私たちは、あなたがやってきてくれるのを、心の底から待ち望んでいたのですよ。
なかなか子宝に恵まれなかったけれど、自然に任せよう、授かりものだから、と無理せずに二人でのんびり暮らしていました。
それでもやっぱり二人きりだと寂しくて、このままおじいちゃん、おばあちゃんになってしまうのかな、と思って小さなため息をつく事もありました。
そんなある日、あなたは突然私たちのところへ舞い降りてきてくれたのです。
何に感謝したら良いのか、私たちは、そう、私だけでなく、あなたのお父さんも涙を流してあなたの登場を喜びました。
お腹の中ですくすく育ったあなたが、いよいよこの世界に生まれた時も、私も、お父さんも泣きました。でもね、私たちだけでなく、あなたのおじいちゃんもおばあちゃんも泣いていたそうですよ。
お母さんは、あなたを産むことに必死で、全然知らなかったけれど、後からお父さんが教えてくれました。
あなたはお母さんとお父さんだけでなく、みんなが待ちに待っていたのです。
大きな産声を上げて力いっぱい空気を吸ったあなたは、最初は男の子かと思うほど元気いっぱいでしたが、朝日をあびて、まだ十分に開かない目を一生懸命開けようとしている姿は、なんだかとってもいじらしくて、可愛らしい女の子そのものでした。
初めてそのお顔が見られて、初めてその声が聞けて、初めてあなたを抱きしめて、一生この子を守り、そして幸せにしようと心に誓いました。
この上ない幸せを噛みしめて、私はとても満たされました。
あなたは、私たちの元にやってきてくれただけで、もう一生分の親孝行をしてくれました。
生まれてきてくれて、ありがとう。